土地にしても建物にしても、売主としては「できるだけ高く売りたい」というのが本音だと思います。
しかし、自分で売却しようと思ってもまず難しいと思いますし、買主がスムーズに見つかることは珍しいでしょう。
そのため、不動産会社に依頼して買い取ってもらったり、仲介業者になってもらい、一般のお客様を見つけてきてもらったりする方がほとんどです。
しかし、不動産のことがわからないからと全てを不動産会社に丸投げしてしまうと様々なトラブルになってしまうことが多いので注意が必要です。
特に多いのが、その不動産の相場よりも安く売られてしまったり、買い取られてしまうというケースです。
不動産会社が買主になる場合は、市場に出すよりも比較的安い金額で買取をされてしまうことがよくあり、相場の70％ほどで買い取られてしまうことも少なくありません。
しかし、それを踏まえて不動産会社に依頼している方も多いので、その金額は想定内と考えられるかもしれません。
ただ不動産会社も商売なので、必ずと言っても良いくらい値下げ交渉をしてくる可能性があります。
本当は3000万円で売れる物件が、2500万円になったりとかなり大幅に値下げを交渉してくるケースもありますので、納得できない場合は条件を飲むべきではないでしょう。
中には悪質な業者も存在し、「この金額でないと買取ができません」と、素人が不動産の知識がないことを良いことにつけ込んでくるケースもありますので、注意してください。

不動産を売却する際には、自力で買主を探すケースを別にして必ず不動産会社とつながることになると思います。
その際に重要なのが「どの不動産会社とお付き合いをするか」という点です。
不動産会社と言っても様々な態様の業者が存在しますので、あなたが求めている業者に依頼することができるかどうかは、あなた自身の目で確かめるほかないのです。
不動産会社の中には、仲介をメインの業務にしている業者もいれば、賃貸をメインの業務にしている業者も存在します。
また、買取の経験がほとんどなかったり、販売活動のやり方が時代にそぐわないなどといった問題も散見されますので、気になる業者がいたら細かいところまで確認しておくことです。
まずはその業者のことをよく知っておき、あなたが納得できた上で買取依頼をするのが一番ですね。
「大手だから安心」とか「仲介件数が多いから安心」ということではなく、あなたの不動産を担当してくれる担当者や営業マンがどのような人柄であるか、どんな対応をしてくれるかを重視しておきましょう。
素晴らしい実績がある不動産会社でも担当者の経験が浅かったり、進捗を全く報告してくれないなどのトラブルが相次いでいます。

土地を売るにしても建物を売るにしても、瑕疵担保責任（契約不適合責任）というのが付いてくる場合がありますので、注意が必要です。
瑕疵担保責任（契約不適合責任）とは、土地や建物に欠陥があった場合、売主が買主に対して損害賠償を支払うという法律で、主に買主を保護するための法律です。
場合によっては契約解除にまで至る可能性があるので、せっかく契約しても瑕疵担保責任（契約不適合責任）で引っかかって一からやり直しという事例もあります。
ただし、瑕疵担保責任（契約不適合責任）はあなたが個人で買主が不動産会社の場合は、責任を負う必要がありませんので、対象となるのは仲介の場合のみということになります。
瑕疵担保責任（契約不適合責任）が起こり得るとされる状態というのは、例えばシロアリが発生していたり、雨漏り、外壁のヒビ割れ、柱の腐食などが挙げられます。
他にも瑕疵担保責任（契約不適合責任）が問われる状態というのはたくさんあるのですが、「これは怪しい」と思われる状態にあるのであれば、買取依頼を出す前に修繕した方が良いでしょう。
一番良くないのは瑕疵があることを知っていて、不動産会社にも買主にも告げなかった場合です。
この場合は多くのケースで契約解除となってしまうことがありますので、自分に不利な情報であってもきちんと伝えるようにしましょう。


不動産を売却する際にはどのやり方を用いるか、どの不動産会社に依頼するかなど、様々な要件を吟味する必要があります。
早く手放したいと思う気持ちはわかりますが、初めて売却される方は特に慎重に事を進めて行った方が良いでしょう。